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【モチベーション】高校同期,仙台にて待つ

高校を卒業して,それぞれの道を進むため,故郷静岡を出る友人は少なくない.

そんな友人のうち1人,Sとの出会いは,出席番号が近く,同じ理系クラスで日本史選択でよく話すことがあったからだ.

理系科目が抜群に得意で,さらに水泳で鍛えあげられた肉体をもつ.性格は好き嫌いがはっきりしており度胸があるが,シャイな一面もある.

受験期には,塾に通うことなく,得意の理系科目を活かして,東北大学に現役合格した.

彼が別れ際に放った一言は白鳥を仙台に駆り立てた!

「仙台の牛タンかぁ?食べたきゃ食わせてやる.こい!この世のすべてをそこにおいてきた(?)」

というわけで,「ギャップイヤー(ニート)」を使って,彼に会いにいくついでに,東北観光が決まった.

【アプローチ】新幹線はやっぱ神

東京ー仙台間をつなぐ,東北新幹線.東北地方に行こうと思わない限り,乗ることもない新幹線である(当たり前).

いつも故郷静岡に帰るときに乗る東海道新幹線とほぼ同じ乗り心地であったが,窓から見える景色は富士山があったかなかったかである.

ただ,東京駅で乗り換えるとき,あまりにも旅慣れしてなかったために,乗車券と特急券の違いがわからず,慌てふためいた記憶がある.なぜか混んでいたのも覚えてる.

乗ったらこっちのもの,仙台までは,あっという間であった.

【フード】牛タンとのキス

仙台駅でSと待ち合わせ.早速,今回の東北旅行の目玉,牛タン(「伊達の牛タン」)をいただいた.

思えば,僕と牛タンとの出会いは小学生のころにさかのぼる.サッカー練習の帰りにチームメイトと駄菓子屋(「みつはし」)に寄ることがルーティーンで,その近くのスーパー長田では,毎週水曜日に焼き鳥屋さんが出店してくるのだ.小学生ながらも焼き鳥の魅惑的な香りに引きつけられ,気づいたら,分厚くて食べ応えのある牛タンをほぼ毎週注文していた.

それからというもの,焼肉屋や市販の薄めの牛タンでは,どれも食べ応えに満足を感じられず,ムンムンとした思春期を送ってきた.

あの殺伐とした時期を越えて,ついに,牛タンとの再会であった.

美しく盛り付けられた牛タン

案内された座席から見えるガラス越しには,シェフの方々が,牛タンと何やら喋っているようだった.しばらくして,真っ白なお皿の上に盛り付けられて現れた牛タンは僕のかつて知っていた分厚い牛タンであったが,牛タンが僕の舌に触れてから,仙台に先祖代々伝わる先代のディープな味で僕の味蕾を刺激した.

さらに,白米とサイドの南蛮味噌漬けがとても良いアクセントになって,牛タンとのコミュニケーションにリズムを生み出していた.

あっという間に,皿の上から消えてしまった牛タン,次もまた食べたいと思うのであった.

約束の男,S.大変美味しい牛タン,ご馳走様でした!

翌日,朝は,漁港で水揚げされた海鮮を自分で購入して,オリジナル海鮮丼を作ることができる塩釜水産物卸売市場へ.

お店の人が,購入したらその場で捌いてくれて,フードコートで白米と海藻の味噌汁セットを購入して,朝食.なんとまぁ贅沢なことよ.

オリジナル海鮮丼「白鳥スペシャル〜ウニを添えて〜」

【スポット】松島,鳴子温泉郷,秋保温泉

仙台観光のテーマは「温泉と自然を堪能しまくる」である.

まず,初日に向かったのは,日本三景の1つ,松島.

実は,他の日本三景,広島の宮島,京都の天橋立には行ったことがあるので,これで日本三景制覇であった.

クルーズに乗り,潮風を全身に受けながら,これぞ松島な離島の数々を見た.

恐ろしいことに,途中にあった「福浦橋」は恋人の聖地でもあったそうな.

松島を説明しながら回るクルーズ

そして,鳴子温泉郷へ.天候は残念ながら雨であったが,鳴子温泉郷の隠れ里感をさらに際立たせた.

源泉かけ流し日帰りの温泉(「鳴子温泉ホテル」)で,身体を温めた.寒い中の温泉が抜群に気持ちが良い.

翌日,他の東北大に通う友人で,同じアメリカ留学プログラムに参加したAと共に,秋保温泉へバスで向かった.

途中,秋保おはぎを食べ,秋保・里センターでチャリを無料で借りて移動.

ハート型の窪みで有名な別の恋人の聖地「磊々峡(ライライキョウ)」を成人男性二人で訪れ,さらにバスで奥地にある秋保大滝へと向かった.

秋保神社の背後に続く舗装された道を抜けていくと,秋保大滝を一望できるデッキがあり,その近くに喫茶店(「不動茶屋」)があった.

アイスコーヒーを飲みながら,小休憩.妙に達観した店主と意気投合して,様々なお話を聞いた.

なんでそんな話題になったか忘れたが,店主の過去のビジネスでの成功や失敗の話から仏教に関連するスピリチャルなお話に加え,「3回目のセックスでイケ」とか「挿入は本当にゆっくりやれ」とかのセックス技術に関するお話を聞いた.初対面とは思えない.

話に夢中になり,バスを逃したので,結局,その店主に里センターまで送っていただいた.いい意味で,衝撃的な場所,また訪れたい.

秋保大滝を眺めながらコーヒーが飲める喫茶店

動き疲れた身体を.近くの日帰り温泉が可能なホテル(「篝火の湯 緑水亭」)で休め,太平洋フェリー乗り場へ.

ここから北海道の苫小牧へ向かうのであった.

【最後に】

旅先での予想だにしない人との出会いこそ,旅の醍醐味である.

それらの素晴らしい旅を可能にしてくれた友人たちに心から感謝.

青葉山に伊達政宗像を見なかったのは心残りであるが,それはまた次回である.[:]